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公益社団法人 新川青年会議所 2025年度
スローガン 継ぐ ~前人木を植えて後人涼を得~
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【はじめに創立55周年に向けて】
「前人樹を植えて後人涼を得」とは、「昔の人の工夫・努力のおかげで、今の人は楽をすることができるということ」「先人が木を植えてくれたから後人が木の下で休める」ということですが、新川青年会議所も同じだと私は考えます。
諸先輩諸兄姉の皆様が、54年継いでこられた想いや活動、地域の方々との運動があったからこそ今の我々が活動できています。また、現在活動しているメンバーも前人となり、後人へと想いを継いでいきます。我々は、今一度、先人達の熱い想いをたどり、今いるメンバーと想いを共感し、活動や運動をする時が来たのではないでしょうか。
今年、新川青年会議所は創立55年という節目の年となります。
新川青年会議所は、1970年に富山青年会議所より拡大分離し「郷土の未来に希望を持ち豊かな社会を創る」という志高き青年たちにより、全国で447番目の青年会議所として魚津青年会議所が創立されました。以来54年もの間、熱い想いを持った諸先輩諸兄姉の活動と、多くの地域の方々のお力添えを得て、現在の新川青年会議所の基盤を創られてきました。私たち現在活動している現役メンバーは、諸先輩諸兄姉の恩恵を受け、今まで活動してこられた地域の方々との繋がりに感謝し、活動・運動を展開し後世に我々JAYCEEの熱い想いを残していく必要があります。この熱い想いとは、決して義務的なものではなく、諸先輩諸兄姉に感謝を表し、まだ見ぬ後世の青年たちが、想いに共感し協働し我々と同じく活動してくれる仲間を残していかなければなりません。この55周年の年に脈々と受け継がれてきた新川青年会議所の未来を継ぐ、新たな一歩を歩き始める時なのです。
私たちは、現在、会員減少等様々な問題を抱えております。いつの時代も青年たちは熱い情熱を胸に秘め、行動に変え、どんな困難にも立ち向かってきました。人は困難な状況になればなるほど結束し力強く前に進み成長していくものです。会員が少ないからといって、熱い想いはかわりません。会員が減少し、人数が少ない今こそ結束し、個々の英知と勇気と情熱を集結し、一人ひとりの一歩で、明るい未来を拓いていくことこそが私たちの使命です。
私は、新川青年会議所に入会以降、様々な人と出会い経験を積ませて頂きました。入会以前の私は、自ら考える事もなく、失敗を恐れ、行動できず、物事の優先順位も考えることなく日々を過ごし生きてきました。しかし、多くの先輩諸兄姉やメンバーと出会い、共に活動することで意識が変わり、自ら考え行動する姿勢を学びました。地域の未来のために、本気で活動する仲間の姿を見て、挑戦する大切さを教わりました。私たちがやらなければ誰がやるのでしょうか。今、私たちに求められていることは、地域が衰退していくことへ危機感を持ち、自ら考えて行動を起こし、目の前にある課題に立ち向かうことです。
今こそメンバー全員の力を集結し、地域のため、人のため、身近で支えてくれる家族のため、そして自分自身のために行動していきましょう。
【創立55周年記念式典】
創立55周年を迎えられたのは新川青年会議所の歴史と伝統を築き上げてこられた先輩諸兄姉の功績があり、脈々と我々に受け継いでこられたからであります。まずは感謝申し上げます。この地域で活動する青年会議所として、これまでの伝統を受け継ぎ、今まで考えたこともない奇抜でオシャレなことを徹底的に行い、2025年のメンバーにしかできないオンリーワンを創造し、新たな価値観を未来に継いでいきます。
【青少年たちが自ら命を守るために】
新川青年会議所は2022年に「魚津市」「入善町」「朝日町」の社会福祉協議会と災害協定を結びました。新川地域では雪害は多く身近な災害として備えています。記憶にも新しい、2024年1月1日誰も予期せぬ能登半島地震が起こりました。内陸部で発生する地震としては日本でも稀な大きさの地震であり、人々の胸の中に大きな傷をつけました。これは、我々の住んでいる地域でも、いつ起こるか分からないことであり、他人事にしてはいけないことだと考えます。私たち大人は防災に対して正しい情報を知っているのか、防災に対する知識と理解を深めているのか、身近ではない災害も起こりうる災害として備えているのか、これらを子供たちに伝えられているでしょうか。そして、いざ災害が起こったときに子供と一緒に過ごしているのでしょうか。災害で生き残るには、子供たち一人ひとりが正しい情報を知り、知識をつけて理解している状態を、我々大人が導き子供たちに伝えていくことが、いざという災害時に子供たちが自らの大切な命を守ることに継がります。
【北方領土問題を未来に継ぐ】
国家とは、国土と国民があってはじめて国家と呼ぶことができます。1945年8月14日、日本はポツダム宣言の受諾を決定した後、同年8月28日から9月5日にかけて旧ソ連は北方領土に上陸し占領しました。北方領土は日本固有の領土でありながら現在に至るまで現ロシアが実効支配を継続し、現在も北方領土に日本国民は住んでいないのが現実です。当時、北方領土から引き揚げてきた富山県出身者の数は1,452名にのぼります。これは、北海道についで2番目に多い数です。なぜ、遠く離れた北方領土に富山県人が多く住んでいたのか。それは、北方領土周辺海域は水産資源の宝庫であり、サケ・マスやタラ、コンブ漁が盛んに営まれていたからです。私たちは、北方領土が返還されるまでこの問題を子々孫々に伝え、一日でも早く北方領土を日本国家と呼べるように返還要求運動を続けていかなくてはなりません。また、友好青年会議所である根室青年会議所となぜ友好関係にあるのか知っていますか。まず、我々メンバーがなぜ根室青年会議所と友好関係にあるのか理解し、新川の未来につながる子供たちが、新川青年会議所と根室青年会議所がなぜ友好関係にあるのか実際に現地を視察し体験することで未来に継承していきます。
【経営とコミュニケーションの大切さ】
青年会議所とは、志高い青年経済人によって「修練」「奉仕」「友情」という三信条のもと「明るい豊かな社会」の実現を目指す青年団体です。そもそも青年経済人とは何だろう。青年経済人と胸を張って言うことの出来る人はどれくらいいますか。新川青年会議所のメンバーには、はっきりと自分は青年経済人だと言えるようになってもらいたい。そのために、まずは、自分が社会で生きていくために自分のことを知り、青年会議所を自分のことを知る勉強のできる場とし、社会で活躍できる人となってほしいと願います。
我々は、社会に出て働き生活をしています。社会では、共に働いている年代や考え方、意識も人それぞれ違うのが現状です。ではその中で、そもそも社会の人々は、自分の強み、弱みを知っているのでしょうか。自分自身よく知らないまま、組織に入り、仕事を選び、親の教育や周りの期待の中で、「こうあるべきだ」と考えさせられているのではないでしょうか。世の中で成功している人や楽しそうに生きている人は必ずと言っていいほど自分の強み、弱みを理解し、強みに特化して人生を生きています。仕事や経営をする上で、成果を出すためには人間関係はより重要であり、常に問題提起される最重要課題であることも明確です。そこで、まず我々は相手を知ろうとします。でも、相手を知る前にまず自分のことをどれだけ知っているか、自分自身のことを理解できているのでしょうか。自分が何に興味があり、何が好きなのか、自然と出来てしまう得意なことを説明できる人は少ないと考えます。自分の強み、弱みは何かを考えることの前に、自分自身を知るところから始め、自分のパフォーマンスを最大化するために、それぞれが自己理解を深め、他の人との想いを共有し、人間関係を円滑に構築し、互いの長所や短所を把握した上で行動を選択することが出来れば、人生がより良くなると確信し、その想いを継いでいきます。
【わんぱく相撲と大人の関わり】
本年で36回目を迎える、わんぱく相撲新川しんきろう場所は、新川青年会議所が継続している代表する事業の一つです。わんぱく相撲は日本人としての礼儀や文化や精神性を学べる貴重な場です。日頃経験できない相撲という競技を通して、同世代の子供たちと本気でぶつかり合い、勝つ喜びや負ける悔しさを体感することで、将来、誇りと自尊心を持った大人になることができます。また、この体験が新たな友情を築くきっかけとなり子供の交流の輪を広げ豊かな人間性が育まれます。わんぱく相撲は、我々大人が年間通して長い期間子供たちと関わります。子供たちの本気の姿を見て大人たちが涙し、作業ではなく心の部分で本気で寄り添い関わっていくことを、メンバー全員に継承していく必要があります。
【全体での会員拡大】
青年会議所が魅力的な団体であれば会員は増える。よく聞く言葉ではありますが、では、なぜ現在は会員の拡大に苦戦しているのか。活動しているメンバーはどんな想いで活動しているのか、地域の方々には届いているだろうか。我々自身が青年会議所という団体で活動している理由を説明できているだろうか。私は、こんなにも魅力的な人の集まりで、それぞれが想いを持ち、活動する意義を追求し、時間を使って自分の限界を超えて成長していく姿を自分自身が感じられる団体は、この新川青年会議所しかないと確信しています。その想いも一人ひとり大きさは違いますが持っています。でも、世間の評判だけで入会を決める判断をされているのも現実です。
まずはメンバー全員が青年会議所で活動している意味を考え、青年会議所の理念を理解し、会員拡大に対する意識を向上させることが大切だと考えます。会員拡大を自分事と捉え、なぜ新川青年会議所が設立されたのか、この地域に青年会議所が必要だったのか、新川青年会議所は長きにわたり地域の多くのリーダーを輩出してきた団体だと実感しています。同じ志をもって、地域のために運動を展開できるリーダーになっていく、まだ見ぬ仲間を見つけ共に青年会議所の理念に共感し、活動を継承していける未来に向かって全員で歩き出しましょう。
【組織運営と広報活動】
青年会議所活動も時勢に合わせた変化が必要とされています。電話でアポを取り会いにいく時代からメールやLINEで用件を済ませられる便利な時代となりました。確かに、情報を知ろうと思えば何でもすぐに調べることができ、欲しい情報もすぐ手に入ります。新川青年会議所も、会員の価値観に応じた組織変革が必要ですが、「青年会議所はめんどくさいことをやる」「遠回りをする」と言われることもあります。この「めんどくさいこと」は本当に必要なくなってしまったのでしょうか。これまで脈々と育まれてきた大切な価値観・考え方を理解し、自分自身が取り入れ、今の時代に合わせて変化していくことが本当に必要なことではないでしょうか。持続可能な組織として、会員全員が「人」を理解し、多様性を認め合い、規律ある組織運営を行ってまいります。
新川青年会議所は地域にある各団体とも連携を行い、まちの活性化につながるよう運動を行ってきました。今後も地域から必要とされる組織として運動を展開していくには、会員、そして地域への情報発信が必要不可欠です。ただ、対内外においてまだ情報が十分に行き届いていない面もあります。より多くの人々に認知され、地域へと運動を波及させていくには、その時その時に応じて効果的に伝わる発信媒体を活用し、組織内外との連携を強化させ、会員及び地域へと運動を発信し共感の輪を広げるとともに組織価値を継承していくことが必要です。
【おわりに】
「青年会議所しかなかった時代から青年会議所もある時代」となりました。青年会議所は40歳までと限られた時間の中で、様々な人と出会い、目的意識を持ち、どのように活動していくのかによって、自己成長の度合いが変わります。その一年一年に想いがあり、出会いがあります。青年会議所で出会った「人」を自分の財産として、その多くの出会いを大切に、なぜ新川青年会議所に入会したのか。自分自身の未来を描き創造してください。事業を通し修練を積み重ね、若き世代のリーダーとして、新川の未来を考えていくことは必須であり、我々若き世代が地域や住民を巻き込み、運動を起こしていくことがこの新川地域には必要です。仕事に家庭にJCに、すべて本気で取り組んでいきましょう。そして、自分自身が毎回「お土産」を持って帰りましょう。私たち一人ひとりが青年会議所でしか得られない経験を通して、一人ひとりが新川青年会議所のブランドとなり、地域には青年会議所が必要だと声があがる、そんな大きな和となる未来へと継いでいきましょう。