公益社団法人 新川青年会議所

2024年度
第54代理事長 大坪雄兵

 

スローガン

ひびぜんしん

日々前進

~挑戦する一歩を踏み出す~

 

 

【はじめに】

新川青年会議所は54年という長い期間、その年ごとにテーマを変えながらも時代に合った運動と活動を展開して参りました。1949年から始まった日本の青年会議所の運動は、社会情勢がどのように変化しようとも、根本にある地域を良くしたいという想いは変わることなく紡がれてきました。近年では、新型コロナウイルス感染症によるパンデミックや、ヨーロッパ圏における戦争など、社会はまさに混沌としており、変化の激しい時代となっています。私たちを取り巻く環境も「昨日の常識」は「今日の非常識」とこのように表現できる程これまでにないスピードで変化し続けています。まさに私たちは混迷の時代を生きており、この時代を生き残っていくためには、その変化とスピードに順応し未来を切り拓いていかなければなりません。広い視野と深い思考を持って探求する運動こそが、これからの時代を生きる人々にとっての「明るい豊かな社会」を築く礎になるのです。いつの時代も青年会議所は、「明るい豊かな社会」の実現に向けて積極果敢に運動を起こし続けてきました。私たちは地域に希望をもたらす変革の起点として時代の大きな変化を悲観的に捉えることなく、先輩諸兄が築き上げてきた歴史と伝統を礎に、今こそ自らが当事者となり日々前進し、この地域の未来のために一歩を踏み出します。

 

【持続可能な新川地域の創造】

持続可能な地域とはどういった地域か。はじめにお話しした社会情勢は目まぐるしく変化しており、私たちの生活に今でも大きな影響を与えています。しかし、そのことについてどれほどの地域住民が自分ごとと捉えられているのでしょうか。社会情勢が大きく変化するということは、自分が住まう地域や生活にも少なからず影響があり、それに対して自らの考えを持つことが重要なのです。少子高齢化、人口減少、労働力不足、地域経済の縮小など様々な課題があるからこそ地域の未来について真剣に考える意識を地域住民の誰もが持つ必要があります。また、地域の未来について真剣に考える地域住民が増加すると同時に、多様性について考え、認め合うことのできる地域となれば、誰もが住みやすいまちになると私は確信しています。青年会議所は地域住民の意識変革団体としての側面もあります。私たちから運動を発信し、誰も取り残すことの無いまちづくりを目指す一歩を踏み出しましょう。

 

【青少年の挑戦心溢れる育成】

私たちが子供だった環境と今の環境が大きく変わり、多くのことを経験することや、挑戦する機会が少なくなっているように感じます。このような時代だからこそ世代を超えた人とひとのつながりが大切であり、地域とともに教育していくことが必要だと考えます。子供が成長していくには、様々な経験や体験の中で困難や課題を乗り越えていくことが必要です。楽しいことや辛いことを仲間とともに乗り越えて、人とのつながりの大切さを感じてもらい、どんな時代が訪れようとも失敗を恐れず立ち向かい、困難に屈せず立ち向かい、挑戦する気持ちや成し遂げる達成感を持てるようになってほしい。そのためには私たち大人が寄り添い、手を取り導いていかなければなりません。次世代を担う子供たちが挑戦心を持ち何事にも立ち向かう青年へと成長していき、明るい豊かな社会の実現につながる新たな一歩を踏み出しましょう。

 

【地域の宝「わんぱく力士」のために】

本年で35回目を迎える、わんぱく相撲新川しんきろう場所は、新川青年会議所を代表する事業の一つです。わんぱく相撲は日本人としての文化や精神性を学べる貴重な場です。日頃経験できない相撲という競技を通して、同世代の子供たちと本気でぶつかり合い、勝つ喜びや負ける悔しさを体感することで、将来、誇りと自尊心を持った大人になることができます。また、この体験が新たな友情を築くきっかけとなり子供の交流の輪を広げ豊かな人間性を育みます。

これからもこの事業を通じて、子供たちにわんぱく相撲の魅力や素晴らしさを伝えていき、未来を担う子供たちの成長に繋がる一歩を踏み出す場を提供していきます。

 

【北方領土への想いを後世へ紡ぐ】

日本の固有の領土がロシア(旧ソ連)による侵攻を受け、島民が島を出ることを余儀なくされてから本年で79年が経過します。北海道に次ぎ、富山県に引き揚げた1400名ほどの元島民は現在400名ほどとなり、島の歴史やロシアからの侵攻を伝える、語り部の元島民も少なくなってきています。

新川青年会議所は本州の青年会議所では初めて北方領土返還要求運動を行ったLOMでもあり、長きに亘り北方領土返還要求運動を行って参りました。そして、昨年度は初の試みにより新川青年会議所自身で北方領土問題出前講座を地域の学生を対象に行うことができました。これからも北方領土を取り巻く世界情勢や地政学、外交関係を理解し、これらの知識を地域住民に広めることで、北方領土問題の重要性を伝え、北方四島が、我が国日本の固有の領土であるという事実を風化させないよう返還要求運動への意識を高め行動して参ります。

また昨年、根室青年会議所と友好50周年の節目を迎えることが出来ました。LOM の垣根を越えて、根室青年会議所メンバーと交流することができるのは、長きに亘り先輩諸兄が築いてこられた友情のお陰であります。この遠く離れた同志の想いも胸に、更に一歩を踏み出し北方領土返還要求運動を続けていきます。

 

【組織一丸の会員拡大と3LOM同志との交流】

持続可能な組織であり続けるには、会員拡大は必要不可欠です。しかし、近年では全国的に会員減少が大きな問題となっています。より良い新川に発展していくためには会員数を増やしていかなければなりません。

まずはメンバー全員の会員拡大に対する意識を向上させることが大切だと考えます。会員拡大は誰かに任せるのではなく自分自身の課題とも捉え、組織が一丸となって行っていく必要があります。そして、会員拡大は入会していただくことだけでなく、同じ志をもって、地域のために運動を展開できるリーダーになっていくことが必要であり、青年会議所の理念を理解し、より強固な組織であり続けるために会員の定着に向けた取り組みも必要となります。また、入会したメンバーと共に地域のために、JC運動を展開し続ける事で、地域を牽引するリーダーとして地域から愛され、持続可能な組織になっていきます。

また2015年に新川・滑川・黒部コミュニティ推進協議会が設立されました。今後も効果的な青年会議所活動を行うためには、同じ境遇の同志とLOMの垣根を超えた友情を育むことにより、より強固なネットワークを構築することが必要です。新川広域圏の未来の創造に向けて、更に新たな一歩を踏み出しましょう。

 

【誠実さと思いやりを持った組織運営と広報活動】

青年会議所活動も時勢に合わせた変化が必要とされています。新川青年会議所も、会員の価値観に応じた組織変革が必要です。これまで脈々と育まれてきた大切な価値観・考え方を継承しつつ、新しい価値観に沿った行動指針や組織体系の改善が必要とされます。時代に合わせて変化しつつ持続可能な組織として、会員を理解し、多様性を認め合い、規律ある組織運営を行ってまいります。会の根幹を支えているという誠実さを持ち続け、会員一人ひとりに思いやりの心を持って活動を支えていきます。

また、私たちが事業を展開するにも拡大活動をするにも広報活動が無ければ何をやっている団体であるかを世間は知ることが出来ません。本年度もしっかりと地域の皆様をはじめ全国に新川青年会議所の活動をSNSやホームページを駆使した活動報告でPRし、組織の発展に繋がる一歩を踏み出しましょう。

 

【来る創立55周年に向けて】

新川青年会議所は2025年に創立55周年を迎えます。前年度にあたる今年はメンバーが一丸となって準備をしていくために、新川青年会議所の歴史を今一度振り返り、脈々と受け継がれる伝統と先輩諸兄の熱き想いを感じる機会が必要です。また、先輩諸兄が長年築いてこられた「新川らしさ」を継承し組織を強化することで創立55周年に向け一歩を踏み出し、しっかりと準備を行っていきます。

 

【おわりに】

「人は人によって磨かれる」という言葉があるように青年会議所は40歳までと限られた時間の中で、在籍年数や役職に関係なくどのような姿勢で活動に取り組むか、目的意識をもってどのように活動していくのかによって、自己成長の度合が変わります。成長の過程には個人差はありますが、青年会議所では様々な活動を通して挑戦、成長する場が提供されます。自ら限界を決め成長することを止めてしまう人、失敗を恐れて行動しない人もいます。なぜ新川青年会議所に入会したのか。自分自身の未来を描き創造してください。失敗は常に失敗ではない。どんな失敗でも新たな一歩となります。私は挑戦する機会があるのであれば、自ら挑戦し続けます。共に挑戦し続け、共に成長していき、先輩諸兄姉から受け継いだ歴史ある新川青年会議所を更に発展させる一歩を踏み出し、日々前進していきましょう。